夜の街
2023/4/30
2023/4/30
爽やかな感じの投稿が続いていて、良くないなと思う。
世の中は+と-でできていて、陰と陽でできていて、善と悪でできている。
物事の良い悪いは置いておいて、どちらも当然のように存在する。
でなければ、戦争など道徳的にあってはならないものだし、
犯罪も理不尽も不条理も、とっくに根絶しているはずだ。
だけど、世の中にそれらは存在しているし、これからも存在し続ける。
なんならそれらはビジネスになっているだろうし、
義務教育で先生に教えてもらった『正論』は、通用しない事が多々あるのが現実だろう。
設計事務所を主宰する人間は、日夜、最新技術の習得に鍛錬すべきであり、
飽くなき探求心と創作意欲に溢れているべきである。
年を重ねるごとに、それは更に加速され、晩年までが現役であり、
多数の『作品』を残した死後、彼らは巨匠と呼ばれるようになることもある。
当然のように自分も、その流れに乗っていくものだとばかり、つい最近まで考えていた。
だけど状況は変わり、建築は変わり、常識も変わり続けている。
だから自分は、その流れを理解した上で、そこには乗らないのだ。
オシャレなカフェのランチは美味しいし、王将のラーメン&餃子も旨い。
夜のイタリアンも美味しいし、焼き鳥屋の串レバー&ビールも最高だ。
家族と過ごす日常は幸せ以外の何物でもないが、
旧友たちと繰り出す夜も、なんかドキドキして楽しいものだ。
この夜は、地元に帰って来た自分を歓迎してくれて、30年来の友人たちが連れ出してくれた。
最近、積極的に夜の街に出掛けなくなった。
だからこそ、貴重な時間を過ごさせてもらい、ちょっと記憶も薄っすらとしている。
昔の行きつけのバーは相変わらずあるが、今はぜんぜん足が向かない。
代わりに、家のように落ち着いたスナックは、居心地が良すぎたのか、閉店した。
ガールズバーの呼び込みはもはや、子供のようにしか見えないし、
高級ラウンジの何が魅力的なのか、理解できない我々中年は、
次の店が決まらず、どこにする?とか言いながら夜の街を徘徊するのだ。
もはやここは、庭ではなくなったのかもしれない。
葛藤しているのだ。
もうちょっと飲みたい、けど、家に帰りたい。
コロナ禍で家飲みが増え、その手軽さ、居心地の良さを味わってしまった。
近所だと歩いて帰れるし、わざわざ街に出なくても、友人と繋がる方法は沢山あることを知った。
久々のメンバーで飲み歩いた夜の街は、昔と少し、変わったような気がした。
だけど一番変わったのは、自分なのだろうなと思う。
世の中は確実に変化していくし、自分も変わり続けるし、友人たちも変わってゆく。
そんな自分たちをどっしりと受け止めてくれる、夜の街。
また、誰かと繰り出そうと思う。
その時もどうせ、迷い、葛藤するのだろうと思う。