夕日
2025/2/3
2025/2/3
昨年、人生で初めて、会社員というものを経験した。
誰かに勧められたわけでもなく、自分で考え、決断した。
6ヶ月ほどの期間ではあったものの、本当に多くを学ばせていただき、
そしてやっぱり、マイペースで生きてゆきたいと強く思った。
写真の夕日は、通勤でたまに見る景色だったけど、
初めて車から降りて、じっくり眺めた。
短く刈られた緑地、ゆったりとした表情の水面、大らかに包み込んでくれる空。
帰宅中の車や対岸にある人工物と、そこにあるだろう人の暮らし。
たまに横切る水鳥、地中や水中にいるだろう虫や魚。
それら全てを照らす夕日。
この空の先はオゾン層で、その先は宇宙で、、とまでは思わないが、
それにしても、物事の細部にまで考えが及ぶようになったことは、
自分としては喜ばしいところだ。
さて、また設計事務所を再スタートしようと、準備しているところだ。
といっても、紙きれ一枚ですぐに始められる。
今日これからだって、提出すればそれで済むことだ。
だけどまだ出さない。
27才で初めて事務所を始めるとき、右も左も分からなかった。
だけど、新しく知る事、出会う人、関わる仕事、その全てが面白かった。
それなりに経営の本を読んでみたり、勉強会とか異業種交流会にも顔を出した。
良い人がいて、怪しげな人がいて、誰とどう付き合うか直感で決めた。
仕事に繋がるかも?と考え色んな会に参加したら、みんな同じようなものだった。
自分を磨くため、毎日走って、食事を見直したら腹筋も割れた。
あの頃の全てが新鮮で、また同じような気持ちを味わいたいという希望は、今となっては叶わないのかもしれない。
だけど44才になった今でも、再スタートなのだ。
前と違うのは、年を重ねたことと、ちょっと知恵が付いてしまったことだろうか。
若干の顧客と、経験値があることは、プラスに働いて欲しいものだ。
それにしてもやっぱり、今は毎日が楽しい。
人生はどうせ、いつか終わるのだ。
だからやっぱり、後悔は残したくないなと、若い頃から一貫して思っている。
毎日を、今この瞬間を、楽しく生きたいものだ。
その積み重ねこそが、年を重ねることでありたい。
白髪になって、皺が増え、それも味として携えていきたい。
自分も最後、こんな夕日みたいな沈み方ができるよう、生きてみたいと思うのだ。